特徴

北半球の高緯度地域を中心に広く分布しているものの、国内では尾瀬ヶ原(群馬県と福島県と新潟県の境)と栗駒(宮城県)の2か所でのみ生息が確認されていたが、2020年7月長野県で3か所目が発見された。
生息地は雪解け水や農業用水など比較的きれいな水が流れている。樹木下ではなく日当たりが良い場所でもコロニーを展開していて、コンクリート製側溝の側面で流水に晒されながらしっかりと着生していた。
止水域でもコロニーを展開していて、冬季には雪に埋もれる場所でも生息が確認できた。
農業用水路に着生しているものは、側溝の清掃で長年毎年削ぎ落とされていたにも関わらず繁殖していることから、希少ではあるものの強健な種だと思われる。

 
 

希少性

環境省レッドデータブックに記載されないほどの確認事例の少なさは、近年テレビなどで取り上げられるほどの苔ブームから盗掘により希少性が高まっている種よりも希少性が高いと言える。そのため、長野県の発見場所は保護を重視し、公開には慎重な判断が求められる。

 
 

入手した経緯

2020年7月、国内で3つ目となる生息地が長野県で見つかる。発見者がTwitterに画像付きで種類を質問し、たまたま見かけた私がヤチゼニゴケを挙げる。その後、広島大・嶋村正樹さんの同定によりヤチゼニゴケであることが確定。
最初に名前を出しただけなのに発表論文に名前を載せていただいて、この機会に現地へ赴こうとしていたところコロナ禍で延期。2年越しでようやく現地へ行き、採取の許可を得て現在に至る。

 
 

栽培方法

鉢などの容器に乾燥ミズゴケを敷き、その上にヤチゼニゴケを置く。容器は水を張ったトレーで腰水管理にする。
藻が発生しないよう肥料は与えない。
水が腐りにくい水道水を使用していて、水換えタイミングは気分で、毎週してると思う。水を切らすと枯れると思われる。
自生地の環境から直射日光が当たっても問題なさそうだけど、明るい日陰で育てている。遮光シート75%を張った場所。
北部九州の平地、水道水の腰水管理で育てている。


2022年7月17日

長野県某所。2020年7月に発見された場所に赴く。生息地が少ない苔だけど、そこにはいくつものの群生があり、ゼニゴケらしいしぶとそうな印象を受けた。


2023年3月21日

腰水管理でなんとか冬を越す。非常に状態が悪そうなのは私の管理不足が原因。綺麗な乾燥ミズゴケを用意して、生きている部分を移す。


2023年7月5日

無事、瀕死から復活した。
私が住む地域では自然下で生息していない。ヤチゼニゴケを育てるなら、コンタミに注意しないといけない。このヤチゼニゴケを守るという意味ではなく、外部に流出させないようにすることが重要だと考えていて、排水は煮沸してから廃棄するようにしている。正直育てるのが面倒な部類。


2024年6月13日

水苔が劣化したので無機質用土に植え替え、これまで通り腰水管理にする。汚れたミズゴケや他の苔が混ざっているから、水につけてピンセットで除去しつつ、新しい用土へ移す。生息地と環境の違いからか、全て薄っぺらく大きく育たない。


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