解説

日本産は2種のみでイトゴケとの判別はパピラの数で判断する。肉眼では違いが分からない。
二次茎は不規則に分枝して糸状に長く垂れ下がり、葉は多少絹のような光沢がある。基部の葉は長さ2〜2.5mm、卵状楕円形の基部から細く漸尖し、中肋は細く、葉の中央以上に達する。葉先近くの縁には小さな目立たない歯がある。葉身細胞は線形〜長菱形で長さ60〜80μm、やや暗く、中央に一個のパピラがある。翼部の細胞は方形〜矩形で厚壁。懸垂部の葉は小型で緩くつき、扁平にはならない。蒴は稀。蒴柄は長さ2.5〜3mm。蒴は円筒形で苞葉よりもずっと上に出る。胞子は径15〜20mm。

蘚綱 – Bryopsida
マゴケ亜綱 – Bryidae
イヌマゴケ目 – Isobryales
ハイヒモゴケ科 – Meteoriaceae
イトゴケ属 – Barbella
(Card.) Nog.; B. asperifolia Card.

生息域:渓谷や林道の樹から垂れ下がる。
分布:本州〜琉球、小笠原、中国、熱帯アジア


2024年6月6日

林道に落ちていた枝から採取。周辺を見上げたけど着生している木は見当たらなかった。
イトゴケとキヨスミイトゴケはとても似ているので肉眼では判別が難しく、顕微鏡を使って細胞の表面についているイボ状のもの(パピラ)の数で判別する。画像の通りパピラが1細胞につき1〜2個なので後者と分かった。
湿度70〜90%の水槽管理。


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